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出題ミス防止:大学入試で自校や他校が過去に出した問題を再び出題する動きが拡大

2018/02/20

 大学入試で、自校や他校が過去に出した問題(過去問)を再び出題する動きが広がっている。これを報じた読売新聞(2/20)によれば、かつては「流用」などと批判されたが、近年は過去問との重複を避けつつ問題を作る大学教員の負担軽減や、出題ミス防止に役立つ、との考え方が定着しつつあるためだ。ただ、「受験勉強が過去問の暗記中心になりかねない」と懸念する声もある。

 20年ほど前まで、入試に過去問を出すことはタブー視されていた。だが、例えば古文では源氏物語や枕草子など、高校生になじみのある素材は限られる。常に新しい問題を作る負担は大きく、文部省(当時)の大学審議会は2000年、大学入試センター試験では過去問の再利用を可能とすべきだ、と答申した。その後、07年には岐阜大など66の国公私立大が互いの過去問を使うことを認める「入試過去問題活用宣言」を出した。参加校は徐々に増えて現在117校に上り、過去問の出題状況はホームページで公表している。岐阜大の石際淳・入試課長は「良問は大学全体の共有財産として使っていく、とのアピールだ」と説明する。 

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