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AO・推薦入試動向:「学力不問入試」と「多様な能力を評価する入試」の2面性

2017/10/20

 AO・推薦入試といえば、今やすっかり受験生に身近な入試形態だが、大学入試改革では「学力不問入試」などと言われる実態を受けて学力評価が求められる一方、受験生の多様な能力を評価する入試方式として期待もされるという、二面性を持っている。しかし実は、既に難関大でも導入が進んでいるとして、ベネッセ教育情報サイト(10/20)では、具体例を紹介している。

 難関大の多様な入試といえば、2016年度に東京大が「推薦入試」を、京都大が「特色入試」を導入したことが、大きな話題となった。東京大は1校から男女各1人に推薦人数を限り、科学オリンピックや語学の資格・検定試験の高成績者など、学部によって推薦要件が指定されているその上に、大学入試センター試験で8割以上の得点を取ることが必須だ。一方、京都大は、学部によって「学力型AO」型、「推薦」型、「後期日程」型があり、センター試験(医学部医学科を除く)で高い学力を求めることはもちろん、「学びの設計書」など多くの書類を提出させ、丁寧な選考を実施している。

 今春の2017年度入試でも、ユニークな方式の導入が続いた。大阪大の「世界適塾入試」、お茶の水女子大の「新フンボルト入試」、2018年度は早稲田大の「地域貢献型人材発掘入試」、金沢大の「文系一括、理系一括入試」の導入。また、東京医科歯科大と東京外国語大が2019年度から共同入試を導入したりするなど、改革は目白押しだ。国立大学協会はAO・推薦をはじめ多様な形態の入試の定員を3割にする方針を掲げている。AOは「総合型選抜」、推薦は「学校推薦型選抜」と名称が変わり、実施時期なども見直されるが、「大学入学共通テスト」の導入に伴って、さらに広がっていくとしている。

 

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